2020/05/13 20:00


このサイトで書いている低融点合金鋳造の素材、138℃低融点合金はグルーポットを使って溶かしています。グルーポットは本来グルーガンで使うグルースティックやグルーペレットを溶かすためのものですが、低融点合金の融点に温度がマッチするので、グルーポットを転用して使っています。いろいろ種類がありますが、ポット内部が平たくなっているものだと扱いやすいです。写真のものはスイッチだけですが、最近は温調がついているものもあります。温調があれば湯の温度管理がやりやすくなるので、より作業がしやすくなるかもしれません。AliExpressであれば温調つきのグルーポットがたくさん出てきます。



あとは湯の温度を測るための温度計があれば、より湯の流れなどの管理はしやすくなると思います。温度計は調理用の油の温度を使うタイプのものなら問題なく使えます。なくても目視で溶けたなとわかるので、鋳込むこと自体は問題なくできます。

低融点合金を入れているのはシリコン容器です。シリコン容器をグルーポットの上に置いて加熱しています。特別なものでなくても問題ありません。サイズが合えば100円ショップ品などでも使えます。たまたまうまくいったので今のところシリコン容器を選んでいますが、金属の容器でももちろん構いません。ただし金属容器の場合、コップ状のものだと持ったときに熱いので気を付ける必要があります。この辺りはより安全に作業できるようにしていく必要があり、まだまだ改善の余地があります。

鋳込みの際は二重に手袋をした上で、シリコン容器の上部を手で持って注いでいます。つかんだ際に容器が変形するので、あふれないよう湯は余裕をもって容器の1/3までにしています。シリコン樹脂は熱伝導が低いので、湯から少し離れた上の部分を持てばまったく熱くはありません。最初は溶けた金属をこぼしたら大変だと考えてしまい、取り扱いにかなり緊張しますが、事前準備をして、あわてずに落ち着いて作業すれば問題ありません。あせってしまうとかえって変に手先が震えたりします。慣れないときは鋳込みに時間がかかって途中で湯が固まってしまうことがあります。短時間・スムーズに、でもあわてずに、というのが鋳込み作業のポイントになると思います。



モールドの下には金属のトレーを置いて、その上にアルミホイルを敷いています。慣れるまではモールドから湯が漏れてしまったりしますが、150℃くらいに調整した湯でLFY3MLFG30のアニール済みモールドに鋳込むなら溶けることはありません。流れ出た湯もアルミホイルに接触するとすぐに固まります。漏れて固まった低融点合金はアルミホイルから簡単にはがせます。再利用できるのでとても経済的です。