2022/09/14 18:54


ここ最近ようやくフィラメント作りに余裕がでてきたため、今はフィラメント押出2号機の立ち上げを行っています。

これまで使ってきた押出1号機であるFilabot Weeはまだ健全ですが、気になる老朽化の兆候もあります。これまで標準としてきたフィラメント製造条件の範囲からはやや外れたところで調整をせざるを得ないことが多くなってきました。フィラメント自体はこれまで通り作れているので問題はないのですが、これまでの標準条件からの逸脱幅が大きくなってきているのが気がかりです。おそらくスクリューやバレルの摩耗が進んでいるのかもしれません。



1号機はスクリューを抜いて掃除ができないため、メンテナンス性が悪いという課題があります。1号機を使い始めたのは2016年で、もう6年以上たちます。そろそろ壊れてもおかしくありません。すでにこの機種はメーカーでは扱っておらず、交換部品も手に入らないため、トラブルがあったときにはすぐ乗換えができるように準備をしておく必要があるという背景もあります。

2号機はメンテナンス性を考慮してスクリュー抜き取りができること、構造がシンプルで改造や拡張がしやすいことからNoztek Proにしました。Noztekはイギリスにあるメーカーで、小型のフィラメント押出機と周辺機器を製造販売しています。Noztek Proの価格は1,195ポンド(2022/9/14現在で約197,700円)。カタログ上はフィラメント押出速度が2.5m/min、温度は最大300℃まで、金型は1.75と3mm用の2つが付属します(当方では標準品はうまくいかなかったため金型は自作しました)。



実はNoztek Proを購入したのは2019年の年末です。最初に構造を確認した後、ずいぶん長い間手付かずになっていました。この手の押出機は手を加えないと自由度が低く、自在に扱うことが難しいというのはあらかじめわかっていたので、どう改造するかについて1号機でフィラメントを作りながら構想を考えていました。結構腰を据えて取り組む必要があり、余裕ができるまでには時間がかかってしまいました。

今年に入って2号機はスクリュー回転数調整、金型製作、センサー周りなど、いろいろ改造や部品製作などを行ってきました。何とか短尺であればフィラメントを試作できるところまでになっています。




2号機はまだ完成ではなく、長尺安定化に向けた追い込みが残っています。2号機がフィラメントを安定して作れるところまでいけるのか最後までわかりませんが、1号機で得た知見を基に、さらになる改造と使いこなしを進めて行きたいと思っています。