2023/05/12 11:33
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(2025.1.17 追記)
下記は過去検討の記事です。最新の酢酸セルロース塗料については https://nature3d.thebase.in/items/58808879 にあるリンクよりご覧ください。
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◆必要なもの
アセトン
容器(ポリビンまたは金属容器)
はかり(目分量でよければなくても可)
ハケ、筆(耐溶剤性の面から化学繊維より獣毛の方が好ましいです)
*注意
プラスチック容器の場合は必ずポリエチレンと書かれたものをお使いください。ポリスチレン、PET、PETGなどの容器はアセトンで溶解、膨潤してしまうことがあります。透明な容器はポリスチレン、PET、PETGが多いです。ポリエチレンは白色不透明です。
アセトンは有機溶剤のため、換気のいい場所で作業を行ってください。
必要に応じて目や手など保護具を着装してください。
◆作り方
10%濃度の酢酸セルロース塗料の場合です。比率や量はお好みで調整してください。
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容器に酢酸セルロースペレットを入れます。
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酢酸セルロースが1gになるよう量を調整します。
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酢酸セルロースが入った容器にアセトンを入れます。
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アセトンを9g加えて、全体で10gにします。これで酢酸セルロースの濃度が10%になります。
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アセトンをいれた直後。酢酸セルロースが溶けるのに時間がかかります。一昼夜置いておくと完全に溶けます。
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こちらが一昼夜おいたものです。酢酸セルロースが完全に溶けてペレットがなくなっています。容器を振ると濃度ムラがなくなって均一になります。
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これで塗料は完成。後は塗るだけです。
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10%濃度の場合はわりとサラッとしていて塗りやすいです。濃度はお好みで調整できます。濃度をあげるほど粘度が上がって溶けにくくなります。最大で濃度30%くらいが限界だと思います。
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酢酸セルロース塗料を紙に塗ってみたときの様子です。乾燥はとても速いので長時間待つ必要がありません。乾いたら何度か重ね塗りして
いくと厚膜に仕上げられます。
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酢酸セルロース塗料を紙に塗って固まった後の写真です。少しわかりにくいですが、塗膜は透明で光沢があります。
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塗膜には耐水性があり、水をはじいてくれます。木や紙など水に弱い材料を、生分解性を損なうことなくコーティングすることができます。樹脂の量で粘度を調整し、噴霧、筆塗り、ディップとどのような形でも使えます。できた酢酸セルロース塗料にヒバ油、ハッカ油、香油、アロマオイルなど油成分を添加することもでき、防虫塗料、香料入り塗料などを自作することも可能です。
下記は酢酸セルロースペレットから作った塗料をラジコン飛行機絹張り用ドープとしてご使用いただいているブログです。興味があればご覧ください。