2023/10/12 11:09

樹脂ペレットは吸湿によって不具合を起こすものが多いです。樹脂自体に吸湿性がなくても、入っているフィラーが吸湿して不具合を起こすこともあります。樹脂の乾燥は成形加工でとても重要な要素です。ですが乾燥というのは地味に面倒で、作業前に必ず時間を取られてしまいます。一旦乾燥した樹脂を密封保管しておければ繰り返し使えてラクそうです。



最近は乾燥済の樹脂ペレットをビンで保存するという小ワザを使っています。これまでは毎回乾燥をかけていましたが、ビンなら長期間吸湿を防止できます。


この状態ならいつでも少量を取り出して使えるので便利です。これまでの実績では乾燥から一か月経過でも問題ありません。

防湿といえばアルミ袋が思い当たります。これまでもたびたびアルミ袋に入れヒートシールして保管していたのですがどうも具合が悪く、押出加工の際に不具合が起きることが頻発していました。実はアルミ袋はピンホールという針で穴を開けたような小さな穴が空いてしまう現象が起きることがあります。


写真は数回使ったアルミ袋です。一見健全なようにみえます。


ところが外から光を当てて中を見てみると一目瞭然。プラネタリウムのように光る点がいくつか見えます。アルミ袋にカサがあるものを入れると微妙に折れてピンホールができます。ピンホールは通気孔として働くので、そこから水分が入り込んでしまうというわけです。

吸湿性の高いナイロンなどのフィラメントでもアルミ袋の真空脱気で梱包されていることがあります。見かけはピッチリしていても、実は脱気の際にスプールのエッジ部分でアルミが折れてピンホールができてしまい、防湿効果がなくなっていることもあります。アルミ梱包だからといって中身がフレッシュとは限らないので注意する必要があります。

Nature3Dではスプールなしのフィラメントコイルでアルミ袋梱包しています。袋に対してのカサが低いためピンホールができにくく、防湿効果を失わない形で長期保管できるよう対応しています。