2024/02/04 20:50


酢酸セルロースフィラメントのスプール長尺巻きの試作を行いました。230mで約750g。特注ご依頼品です。


配合と乾燥が終わった樹脂。最初の条件調整ロスも含め、仕込み量は1kgにしました。余った分は自分のフィラメント用にします。


ヒーターを昇温した後ホッパーにペレットを投入。


最初にバレルに残っている分だけ軽く樹脂をパージしてからスクリュー回転数を所定にセット。


フィラメントの搬送部。搬送中に冷却されますが、入口のファンで追加冷却します。いまは冬場なのでかなり冷却がききます。今回は入口のファンは使いませんでした。

この後段でフィラメントを実測し、引き落とし調整を行って1.75mmに合わせこみます。前回に行った酢酸セルロースフィラメント生産から約一年たっており、この間いろいろ検討や樹脂切り替えなど行って使い込んできました。本当に条件が再現するか心配もありましたが、簡単に条件が出てくれたので一安心でした。


後は巻取機にフィラメントを引き込んで巻いていきます。


ここでトラブル発生。巻き取りを停止するセンサにフィラメントがかかってもセンサーが検知しません。巻きっぱなしになって止まらず、もろもろの機材が引っ張られて倒れてしまい、緊急停止。発光部と受光部の間にフィラメントが入ることで感知する透過型のセンサーですが、今回のフィラメントは半透明で透過率が高く、光がさえぎられる量が少なかったために検知しなかったようです。対策として、発光部と受光部にポリイミドテープを巻いて光量を下げたところ、何とかフィラメントを検知するようになりました。


後はフィラメント径の都度微調整を行い、無事に加工が完了。


後はフィラメントをテープで止めて、上からシュリンクフィルムを巻きます。テープは粘着剤が残りにくいものを選定して使っています。


最後に乾燥しておいたシリカゲルを入れ、袋に入れて脱気密封して完成です!

ショップにない長尺品も場合によってはお受けできることがありますので、お問い合わせよりご連絡ください!