2024/10/20 10:47
今週木曜から始まる、「ふじのくにセルロース循環経済国際展示会2024」 Nature3D展示品の紹介です。
今年も酢酸セルロースに関する素材の展示をさせていただきます。昨年からの変更点として、展示内容が3D用フィラメントと生分解性塗料の2つにわかれています。ブース正面が3D用フィラメントに関する展示、右面が生分解性塗料に関する展示です。
パネルに掲示する資料もよろしければご覧ください。
3D用フィラメントについては、昨年に引き続き、高生分解性酢酸セルロースフィラメントと造形品を展示します。
天然顔料を使った酢酸セルロースの着色造形品です。
また、8月に発刊された、フィラメントに関する寄稿文掲載誌も置かせていただきます。
酢酸セルロースフィラメントに関して、造形面での考え方を書かせていただいている他、耐熱PLAフィラメント、木粉フィラメントの話も記載しております。ぜひ展示品を実物を見ながら、造形に関する知見を深めていただければと思います。内容はこちらからもご覧いただけます。
次に生分解性塗料です。こちらは今年から開発を進めており、ようやくいくつか使用実績が出てきました。今回は「生分解性セルロースセメント」と「酢酸セルロースバインダー溶液」をご紹介します。
まずは「生分解性セルロースセメント」です。バイオマス素材の生分解性を損なわずに防水、ツヤ出し、補強ができるというソリューションです。
市販の多くのクリア塗料には、生分解性はありません。バイオマス素材に塗装すると素材の保護はできますが、生分解性が損なわれてしまうことになります。「生分解性セルロースセメント」であれば、生分解性を維持したまま素材を保護することが可能になります。
「生分解性セルロースセメント」は高い硬さと透明性から、ルアーに実際にお使いいただいています。今回はディッピングで使用いただいた製作例を展示します。ルアー製作されている方にとって興味深い内容になると思います。
3Dプリント、貼り合わせ、パテ埋め、塗装まで、すべて樹脂成分に酢酸セルロースを使ったルアーも展示します。
変わりネタとして、「生分解性セルロースセメント」を樹脂含浸して綿ヒモにコーティングし、生分解性草刈りコードを試作した例も展示します。市販の草刈りコードにはいくつか生分解性をもつものがありますが、土壌中・海洋中どちらの環境でも分解が進む素材は、おそらく本試作品が初になるのではないかと思います。
最後に、「酢酸セルロースバインダー溶液」のご紹介です。これは、さまざまな粉体と溶液を混ぜ合わせてペースト状にし、塗布して固めることができるというものです。「生分解性セルロースセメント」は樹脂が主体になるのに対し、「酢酸セルロースバインダー溶液」では粉体が主体となります。できた固化物の樹脂成分は分解するので、生分解性は維持されます。
フライアッシュと、炭酸カルシウム+木粉を塗った例
黒鉛と卵殻の例。導電性粉体があれば、導電性ペーストを自作することが可能です。卵殻などの廃棄物を有効利用することもできます。
エビ粉と竹粉の例。エビ粉末は集魚剤として使われます。画像のように塗り広げる使い方は実際にはないかもしれませんが、ルアーなどの漁具に少量を塗って、耐水性のある集魚剤として使うことができそうです。竹粉はバイオマス保温材、断熱材としての使い方が想定されます。
酢酸セルロースはきれいな造形品がよくクローズアップされますが、今回はそれだけでない、生分解性を活かしたソリューションのご提案になります。サステナブルマテリアルに興味のある方はぜひお越しください。
1日目 10/24(木)13:00~16:00
2日目 10/25(金)9:00~15:00
✅セルロース関連素材に関する国内最大級の展示会
✅車両・日用品・化粧品など多様な製品
✅大手企業からスタートアップまで
✅過去最大の123社・団体が出展
✅企業プレゼンも37社実施
✅参加無料
✅静岡県製作 県産材使用コンセプトカー 一般初公開
✅来場者にスマホスタンドのプレゼントあり
✅会場「ふじさんめっせ」
✅新幹線 新富士駅から徒歩約7分
当方は両日ブースにて説明員として立ち合いします。平日となりますが、都合がつく方はぜひお越しください。