2025/03/02 13:19

最近企業様でも3Dプリンタが浸透してきており、フィラメントの問い合わせも増えてきています。中でも安定的に導電性フィラメントEV30Sをお求めいただいており、よく電気電子メーカー様や精密機器メーカー様などからお声がかかります。
導電性フィラメントを何に使うかですが、メーカー様の場合、ほとんどは静電対策用途ではないかと想像します。
機器に使われている回路に静電気がたまらないようにしたいとか、精密部品にホコリを寄せ付けたくないなどの理由で、ケースとかブラケットなどを造形されることが多いかと思います。
帯電を気にする箇所の部品を金属で作ってしまうとバチっと放電が一気に起きてしまい、回路が損傷するなど不具合が起きます。ある程度抵抗値のある導電性フィラメントであれば、緩やかに放電させられるので好適というわけです。
この導電性フィラメントですが、案外選び方が悩ましいのではないかと思います。昔からある代表的なものはPLAベースの導電性フィラメントがあります。表面抵抗は1E4Ω/□程度で、アマゾンなどで売られています。
確かにホビーユースのフィラメントの場合でも、電気特性的にはそん色がなく、実用として使うことができることもあります。ですが、メーカーさんの視点からは以下の理由からそもそもホビーユースのフィラメントは手を出しにくいということもあります。
✅信頼性の問題
世の中の導電性コンパウンド樹脂を使った製品(たとえば電子部品や半導体を載せる帯電防止トレーなど)でPLAをベースとしたものは見かけません。わざわざPLAを使う理由がないためです。PLAを使った製品は基本的に長期での信頼性がありません。それほどかちっとした使い方ではないにしろ、企業内で使われる造形品のため、そこそこの信頼性も欲しいわけで、その造形は本当にPLAでいいのかという懸念もでてきます。
✅入手の問題
困ったことに、常に同じものが同じメーカーで取り扱われているわけではありません。以前に買ったフィラメントがいつの間にかなくなっていて、検索してもでてこない、同じような製品が別のメーカーで売られているものの、これは前のものと同じかどうかよくわからないといったことも起きます。ホビーユースだと、同じメーカーでもロットによって処方が変わっていて、特性が全く別物になっているということもあり、何かと懸念がぬぐえません。
✅情報開示の問題
海外製の場合は情報がとりにくいとか、何かあったときに話が通じにくいなどの背景もあります。データもそろっておらず、SDSなども提示を受けられないことが多いです。
導電性フィラメントEV30Sは、これらの問題をクリアにするための商品としてご提供しています。

樹脂は半導体用運搬トレーなどに使用実績がある工業用導電性コンパウンドをベースとしています。

さらに信頼してお使いいただけるよう、今回商品ページに詳細な物性データも公開いたしました。
EV30Sは、処方は変えずにいつも同じレシピで作り続けています。企業様でもお使いいただけるようにSDSもご用意しています。地味ではありますが、求められるうちは同じものを同じプロセスで作り続ていきますので、ぜひご利用いただければ幸いです。