2025/03/05 08:53

低融点合金では、融点を下げるためにさまざまな金属を混ぜて合金化します。その中には有害性を持つ、あるいは有害性が疑われる金属もあります。

世の中に存在する代表的な低融点合金の代表的な組成は上記の通りです。

融点100℃以下で見てみると、よく使われる低融点合金の組成は、

ローズ合金(融点98℃)
→ ビスマス50%、鉛25%、スズ25%:鉛が有害元素

ウッド合金(融点70℃)
→ ビスマス50%、鉛26.7%、スズ13.3%、カドミウム10%:鉛・カドミウムが有害元素

フィールズ合金(融点62℃)
→ ビスマス32.5%、スズ16.5%、インジウム51%:インジウムが有害元素


となっており、100℃を超える低融点金属はすべて有害元素を含んでいます。

合金中に有害元素を含んでいても溶出はしません。鋳造品を指で触っても毒ではなく、鋳造品そのものの安全性は保たれます。

ただ、鋳造は鋳込んだものがそのまま仕上がりとなることはほとんどなく、バリ取りやペーパー掛けを行うことがほとんどです。この過程で微小な研磨粉や破片が発生します。

意図せずに研磨粉を吸い込んでしまう、研磨粉が手に付着して口に入ってしまう、研磨粉が落下・転写して周囲を汚染してしまう、などがおきる可能性も考えられます。

自分だけで使う場合はまだ注意して作業もできますが、不特定多数が使用する教育での実習やワークショップなどといった場では目が行き届かないこともあります。

138℃低融点合金は、世の中に存在する低融点合金で有害元素を含まない中では最も融点が低い合金です。

そのため、クラフト用途の鋳造の場合、有害元素を含まず安全性の高い138℃低融点合金をお勧めしております。