2023/12/17 11:27
これまで酢酸セルロースは強度に不安があったため、ディスプレイを目的とした置物ライクなものしか作っていませんでしたが、揮発を調整した溶剤塗布でそこそこ強度が稼げることがわかってきました。
これまで計3回の展示会で酢酸セルロース造形パズルを体験コーナーに設置して様子を見させてもらいましたが、子供さんたちにガチャガチャやって使ってもらっても破損がなかったこともあり、耐久試験的な意味合いでも強度の実績がでてきました。そこで最近はテスト的に実用品を作り始めています。
溶剤を塗布すると少し透明性が上がり、内部のインフィルも見えやすくなります。ファーストレイヤーの追い込みで造形品の反りもかなり改善し、大面積の薄物や異形の薄物もある程度作れるようになってきました。
重荷重でなければネジ止め固定もいけそうです。コイルタイプ巻取機の側板として使うことにします。
溶剤は狭い部分ほど浸透しやすいです。造形品は基本ポーラスな構造なので溶剤が浸透しやすいほか、造形時の欠陥、モデルで細い部分や複雑な形状になっている部分に入り込みやすく、割れやすい部分を優先して強化してくれます。構造上強度がとりにくい3D造形品にとっては有利になりそうです。
研磨すると造形品は白化しますが、溶剤塗布は白化の対応にもいいかもしれません。こちらも機会をみて試してみたいと思います。