2024/04/24 09:48

造形品積層痕埋め用のパテを作ってみました。酢酸セルロース樹脂溶液にタルクを入れたものです。タルク入れ目は先日の集魚剤パテと同じく樹脂に対して200%にしました。こちらも同じく塗れる程度の粘度です。

塗ってみたところの写真です。被着体はガラス繊維強化PLA黒の造形品です。薄く塗って数分おき、また薄く塗るという感じで、完全に地の黒色が見えなくなるまで重ね塗りを繰り返しました。一晩放置すると、内部の溶剤が揮発して硬化し、研磨できるようになります。

400番のペーパーで研磨しました。タルク添加によってかなり削りやすくなる印象です。頂点部分だけ少し地の黒が見えてしまっています。軽くデザインナイフで切除しておくとよかったかもしれません。

造形品の研磨ではどうしても多量のプラスチック粉が出てしまいます。仕上げのためには必要な作業ですが、マイクロプラスチックが問題視されている中、なかなか悩ましいところです。研磨粉は飛散するので完全な回収が困難です。研磨した造形品は水洗い洗浄を行いますが、排水処理施設でも研磨粉が完全に除去できるとは限らず、どうしても環境影響の懸念が残ります。海洋分解プラでも研磨粉が出るのは同じですが、時間はかかるものの、いずれは分解されます。タルクは天然に存在する鉱物なので分解はしませんが、有害性もありません。いずれは砂と同様に、土壌の一部になると考えられます。

指で積層段差がわからない感じにツルツルにできました。写真だと膜厚が薄い部分が透けてしまうので、デコボコが残っているように見えますが、実際はかなりなめらかです。見栄えを気にする場合は、さらに白顔料である酸化チタンを微量添加すると隠ぺい力が増して、見栄えが改善すると思います。