2024/09/18 20:00
論文の掲載誌をお送りいただきました。
39ページ目に掲載いただいています。他にも3Dプリンティングに関する事業を行っている企業様がずらり。そんな中、当方にお声がけいただいたのは本当にありがたいことです。
お話をいただいた当初は、論文として形になるようなまとめ方ができるか、少し迷いました。PLAフィラメントと木粉フィラメントは以前にサステナビリティと3Dプリンティング2022でお話した内容があったので、それをわかりやすく書くことで対応できました。
ただ、酢酸セルロースフィラメントだけは新規要素です。話をお受けした時点では、安定して造形ができるというところで止まっており、論文にできるだけの内容がありませんでした。
酢酸セルロースをFFFで安定造形するための原理は何となく頭にはあったのですが、ようやく安定造形にたどり着いたばかりで、明確に記載したことがありませんでした。
ちょうどいい機会だということで、誰が見てもわかるように書き下しました。これにはかなり時間を要しましたが、造形中に起きている現象を客観的にうまく伝えられるように、文献を引用しながら仮説の模式図で表現しました。
今回は論文ですので、いいかげんなことを書くするわけにはいきません。仮説だけだと裏付けに欠けるため、その裏付けデータを取るための実験も追加で行いました。何とか仮説を支持するデータを得ることができたのは幸運でした。
何の予備知識もないシロウトが、組み立て式の押出機を買って、わからないながら手探りでやってきたフィラメント作りも、やっとここまでこれたなという感じがします。
この論文は「生分解樹脂,バイオマス素材を中心とした特殊フィラメントの開発」寄稿記事PDF版に全文を記載していますので、興味があればご覧ください。