2025/04/27 12:51

改めて、昨年から進めている釣り用の生分解性樹脂をご紹介します。シンプルに、名前は「ねり樹脂」としました。環境配慮型素材の推進による環境保全、自由にアレンジして作る楽しさを提案するというコンセプトです。

ねり樹脂は、手で引き伸ばしたり丸めたりして自由に形を作ることができる素材です。配合で樹脂のガラス転移温度を室温付近まで下げ、柔軟な特性を持たせました。市販ワームの代替素材としての使用を想定しています。

ねり樹脂に色はついていませんが、市販の顔料や染料を使うことで自由に着色できます。粘土ライクな感じで、失敗しても何度でも作り変え、やり直しが可能です。

天然素材を練り込むことも可能で、フレーバーも自由に調整できます。におい成分は次第に水に溶けていきますが、効果が薄れたら付け足して使い続けることもできます。室温で練り込みできるので、加熱によりにおい成分が飛びにくいメリットがあります。

ねり樹脂の原料は、酢酸セルロース樹脂と可塑剤です。どちらも安全性が高く、生分解する材料が使われています。

環境に関心がある方は、従来ワームには問題点があることもご存じかと思います。従来ワームの材質は、主には塩ビ樹脂、可塑剤(非生分解)、ラメ(蒸着ポリエステル)です。これらは分解せず環境中に残り続けるため、環境ホルモンの影響、有害化学物質の取り込み、生物濃縮などが懸念されています。

ねり樹脂のメリットは、①自由に形を変えられる、②手が汚れにくい、③自由にアレンジできる、④経済的、⑤環境を汚さない、などがあるかと思います。

これはまだ先の話ですが、最終的には各ユーザー様で樹脂から作っていただくことも考えています。ねり樹脂の製造に必要なものは、原料は酢酸セルロース樹脂、可塑剤、消毒用エタノール、後は加熱用の電子レンジだけです。プロセスも安全性が高く、ほぼ材料費のみで、家庭でも作ることが可能です。
ねり樹脂は、簡単な評価を行っていますが、肝心の釣果がまだないので、今のところ使い物になるかはわかりません。今後サンプルをお出しして実際に釣りで使っていただける方を募ります。