2023/09/02 11:35
生分解性プラは本当に分解していくの?というのは誰もが興味あるところだと思います。中にはPLAの造形品を埋めてどうなっていくのかやってみたという方もいらっしゃるかもしれません。当方も過去に試したのですが、2年経っても何も変化が起きず断念しました。高生分解性の酢酸セルロースだとどうなるのでしょうか?実際に埋めて簡易的な外観変化の継続確認を行っています。
生分解性プラの生分解性を評価するための試験法にはいくつかの種類があります。試料の生分解に伴って微生物が消費した酸素量を測定したりする方法で、生分解性プラの各メーカーさんはきっちりしたデータを持っておられますが、当方だとそこまではできないため、あくまでざっくりとした確認です。
これが埋設に使っている屋外の花壇です。養分たっぷりという感じの土ではなく、どちらかというと砂地です。雨が降ったときにもすぐに水が引いていきます。
だいたい20cmくらいの深さに、土を引いたトレーの上に試験片を載せて埋めています。これが掘り起こしたところ。
18か月経過したものですが、結構積層が剥がれてきています。触るとパリパリで、フラグメンテーションという形状崩壊が起きてきています。
これが洗浄風乾後の写真です。初期からの比較写真はふじのくにセルロース循環経済国際展示会の資料に掲載してあります。このサンプルも展示会に持参し、初期と18か月後を対比して現物をご覧いただけるようにする予定です!
過去記事ですが興味があればこちらもご覧ください。海洋中で酢酸セルロースはどう分解するか?